淹れ方 PR

自宅でコーヒーを「デカフェ」に変えられるか実験してみた

自宅でコーヒーをデカフェに変えられるか
【PR】当サイトは企業とアフィリエイトプログラムを提携しており、ステマ規制(景品表示法)を遵守して運用しています。

カフェイン含有量が極めて少ないコーヒーのことを、「デカフェ」や「カフェインレス」と呼びます。

通常、コーヒー豆やインスタントコーヒーなどのうち、デカフェやカフェインレスとして販売されている物は、すでにカフェインを取り除く処理が施されているのです。

なので、わざわざカフェインを取り除く作業なんてのは、消費者がする必要はありません。

ただ、一日のカフェイン摂取量が気になったときや、遅い時間にコーヒーが飲みたくなったときに、デカフェコーヒーが手元にないと困ってしまいますよね。また、そもそもカフェインに弱い方などは、いつものコーヒーからカフェインを取り除きたい瞬間が、多少はあると思います。

そんな理由を並べつつ、本音は単なる好奇心から、デカフェコーヒーが自宅で作れるのかどうか試してみました

デカフェ・カフェインレス・ノンカフェインの違い

コーヒー豆

事前知識として、一応これらの違いを理解しておきましょう。

デカフェとは、カフェインを含む飲み物などから、カフェインを取り除いた物を指します。日本ではカフェイン除去率90%以上であれば、デカフェと表示することが可能なようです。

カフェインレスは、デカフェとほぼ同義です。以前はカフェインレスという言い方のほうがポピュラーでしたが、最近はデカフェが浸透してきましたね。また、もともとカフェイン含有率が低い飲み物も、カフェインレスと呼びます。

ノンカフェインは、そもそもカフェインが含まれていない飲み物を指します。麦茶などのパッケージによく書いてありますね。コーヒーはどれも、もとはカフェインを含んでいますので、ノンカフェインコーヒーなんて物は世の中に存在しないのです。

カフェインの摂りすぎには注意!

コーヒータイム

カフェインを摂取すると目が覚めて、頭が働きますよね。だから一日の始まりにコーヒーを飲むという方も多いと思います。

カフェインは適量であれば色々と良い効果があると言われているのですが、過剰摂取すると健康面に悪影響を及ぼします。

夜眠くなくなる・眠りが浅くなるといったことを始め、カフェインが足りなくなってイライラや頭痛があったり、過剰摂取で動悸がしたり、救急車で運ばれたりする人もいるほどです。

個人差があるので、カフェインはこれくらいで抑えましょう、と一概に言うことは難しいです。コーヒー3杯飲んだ日は全然寝れなかったな、なんて経験をしていくうちに、自分なりの目安がわかってくるものです。

「あたいは毎日こんなにコーヒーを飲むぜ!」など、がぶがぶ見境なくコーヒーを飲んでいる方は、もしかしたら危険なレベルでカフェインを摂取しているかもしれません。

「コーヒーを飲みたいけれど、カフェインは摂りたくない」というときに、デカフェやカフェインレスコーヒーを代用することで、健康的にコーヒーを楽しめるのです。

カフェインを除去する主な方法3つ

コーヒー粉

では、どうしたらカフェイン除去を行えるのかを考えていきます。

コーヒー業界におけるカフェインを除去には、主に3つの方法があります。

1つ目は、「有機溶剤」という物にコーヒー豆を浸す方法です。これは薬剤を使っているので、自分でやるとコーヒーに薬剤が付着してしまうかもしれず怖いですね。却下です。

2つ目は、「超臨界二酸化炭素抽出」と呼ばれている物。ネーミングからしてやばそうですね。どうやら二酸化酸素を化学的な方法でどうにかすると、超臨界流体という物になって、そこにコーヒー豆を通すとカフェインを取り除けるようです。個人でやるのは不可能でしょう。

3つ目は、水を使う方法です。「スイスウォータープロセス」として商標登録されていて、コーヒー豆に薬品が直接触れないため、安全性が高いのだそうです。

スイスウォータープロセスの手順としては、まずコーヒー豆に水を通すことで、カフェインを含む水溶性成分が抽出されます。この水を、カフェインだけをキャッチする「カーボンフィルター」に通します。これで、カフェインだけが除去されました。そして最後に、水に残ったカフェイン以外の成分をコーヒー豆へと戻すのです。

…3つ目については、なんとなく理屈はわかりますが、10時間くらいかかるみたいなんです。しかも、どの方法も「生豆」を使わないといけません。生豆とは焙煎前の白緑っぽい色の生の豆のことです。自宅で焙煎しない限り、生豆は持っていないですよね。

となると、これら主な方法は、事前にきちんとした準備が必要で、気軽に試すことができません…。

自宅で手軽に実現可能な方法を考えてみる

クレバーコーヒードリッパーと粉とお湯

次に、少し視点を変えて、「もともとカフェイン含有率が少ないコーヒー豆はあるのか」と、コーヒーを淹れるときに「カフェインがどのように抽出されるか」について考えてみました。

もともとカフェイン含有率が少ないコーヒー豆はあるのか

コーヒーは主に「アラビカ種」と「カネフォーラ種(ロブスタ種)」という物が流通しています。コーヒー豆専門店などで扱っているコーヒー豆はアラビカ種が主で、インスタントコーヒーや缶コーヒーなどには、カネフォーラ種が使われていることが多いです。

また、一般的に、カネフォーラ種はアラビカ種に比べて2倍のカフェインを含んでいると言われています。普段は豆の産地や名称は気にしても、アラビカ種なのかカネフォーラ種なのかについてはあまり気にすることがないと思います。

ただ、自宅でデカフェを作るのには、どちらかというとアラビカ種を使うほうが良さそうです。つまりコーヒー豆専門店やカフェなどで販売されているコーヒー豆やコーヒー粉を使うのがベターといえます。

焙煎度合いでカフェインが少なくなる?

焙煎が深いほど、カフェインが少なくなるという話があります。焙煎が深いとは、いわゆる「深煎り」という焙煎度合いのことで、焦げ茶から黒に近い色をしたコーヒー豆を指します。

深煎りは焙煎時間が長く、コーヒー豆は熱せられる工程で、水分やカフェインが「浅煎り」の状態よりも若干多く飛んでいくのです。

ただし、深煎りに仕上げると、水分やカフェインが飛んだ分、浅煎りよりも「豆1粒あたりの重さ」が減ります。そのため、結局はコーヒーを淹れるときには、浅煎りよりも「豆の量」が必要になるのです。(コーヒーは、メジャーカップ1杯分などの見た目的な量ではなく、正確な豆の重さが重要です)

豆1粒あたりのカフェインが少なくても、浅煎りよりも多くの豆を必要とすることから、摂取するカフェインの量は、浅煎りだろうが深煎りだろうが、どちらもさほど変わらないという結果になります。

カフェインがどのように抽出されるか

最後に、カフェインが抽出される過程に着目します。

カフェインは、冷水には溶け出しにくく、お湯のほうが溶け出しやすいという特徴があります。また、抽出時間に比例して、カフェインは溶け出していくのです。

少々脱線しますが、熱湯よりも水のほうがカフェインは溶け出にくいのであれば、「水出しコーヒー(コールドブリューコーヒー)はあまりカフェインを含まないの?」という疑問が出てきます。

しかし実際は、お湯でドリップするときなどと比べて、水出しコーヒーは水に触れている時間が長い(約8時間)ので、同じくらいカフェインが溶け出すのです。むしろ水出しコーヒーのほうが、お湯でドリップするよりもカフェインを含むことが多いとも言われています。

話を戻すと、水を使って短時間で抽出すれば、コーヒーのカフェイン含有量は少なくなると考えられますね。

または、お湯を使ってドリップなどをする場合、カフェインは1杯目にほとんど抽出されます。なので、お湯を使ったドリップでは、2杯目以降はカフェイン含有量が1杯目よりも少ないのです。

普通よりデカフェに近いコーヒーを作る方法

これまでの話をまとめると、コーヒー豆(または粉)は「アラビカ種」を使って、「短時間で水出し」すれば、普通よりもデカフェに近いコーヒーが作れるはずだとわかりました。

または、お湯で軽く1杯目をドリップで抽出し、その次にドリップで抽出した分(2杯目)から飲むという方法もあります。最初の抽出でカフェインの多くが溶け出しているので、2杯目からはカフェイン含有量はグッと減ります。ただし、1杯目の美味しいところが飲めないというデメリットがありますね。

いろいろ考えてみましたが、自宅環境で手軽に本物のデカフェは作ることは難しいですね…。

短時間で水出しコーヒーを作ってみた

せっかくなので、水を使って短時間でアラビカ種を抽出する方法で、コーヒーを淹れてみます。

また、できるだけ美味しくいただくために、苦味のある深煎りの豆を中細挽きにしてやってみましょう。一般的な水出しコーヒーを淹れる場合も、この組み合わせが向いています。

具体的な方法としては、水でドリップをしても、コーヒーの粉がびしょびしょになるだけなので、カップの中でよくかき混ぜて、それを目の細かいフィルターを通して粉を除去してみます。

かき混ぜるだけで一体どれほどコーヒーが抽出されるかがポイントですね。うっすいコーヒーにならなければ良いのですが。

まず、コーヒーの粉を常温の水に浸して、かき混ぜます。

かき混ぜる

薄めですが、若干色が出ました。十分にかき混ぜたらフィルターに注いで粉を除去します。

フィルター

フィルターを通してコーヒーを落とす段階で、通常より時間がかかりました。お湯を使わないと、スムーズにポタポタと落ちないようです。先にフィルターだけお湯で湿らせておくと良いかもしれません。

デカフェ

抽出されたコーヒーをレンジで温めました。

想定していたよりも香りの良いコーヒーができました!色も結構出ています。

ただ味は薄めでしたね。深みのない味わいですが、一応通常よりもカフェインが少ないであろうコーヒーができました。お湯で淹れるよりは風味が落ちますが、コーヒーっぽさは感じられます。でもやはりデカフェになっているのかどうかは疑問が残ります。

まとめ

マグカップ

自宅でどうにかデカフェコーヒーが作れないかと試行錯誤した結果をお伝えしました。

結論、カフェインを含むコーヒー豆を、家でデカフェに変えるのは難しかったですね。ただし、通常よりもカフェインが少ないであろう淹れ方を知ることができました。

今回ご紹介した方法で本当にカフェインが少なくなったのかは計測できていませんので、自己責任でお願いします!

美味しいデカフェを飲むなら、やはりデカフェとして売られている商品をストックしておくことをおすすめします。

たとえば以下は、「液体二酸化炭素」(上記、超臨界二酸化炭素抽出)によってカフェインを除去したコーヒーです。ご自宅にミルがない場合も、粉状に挽いた状態で注文すれば、フィルターさえあればOKですね。

夜に飲んでも安心なカフェインレスコーヒー【マウンテンコーヒー】