ハンドドリップ、フレンチプレスなど、コーヒーの抽出方法は色々あります。その中でも、多くのバリスタも愛用しているのが「クレバーコーヒードリッパー」です。
ハンドドリップのように“淹れる技術”で味が左右されるということが少ないため、誰でも手軽に、美味しいコーヒーを淹れられるという特徴があります。初心者にとっても上級者にとっても、非常に使いやすい器具としてコーヒー好きの間で知られているのです。
自宅でコーヒーを淹れるときにも大活躍するクレバーコーヒードリッパー。本記事では、その魅力とともに、淹れ方についての公式な方法もお伝えします!
バリスタも愛用する優秀な抽出器具
クレバーコーヒードリッパー(Clever Coffee Dripper)は、コーヒー抽出のための器具であり、E.K.Internationalという台湾の会社が開発しました。
コーヒー抽出の中でも「浸漬式(しんせきしき)」という、コーヒーの粉とお湯を一定時間漬けて置いておく方法がメインに採用されていて、さらに「透過式」という、コーヒーの粉にお湯を注いでポタポタ落としていく方法(いわゆるドリップ)も加わっているものです。
簡単に使い方をご紹介しておくと、「クレバーコーヒードリッパーにフィルターをセットして、コーヒーの粉を入れて、お湯を注いで浸漬するまで少し待ち、サーバーやマグカップに一気にコーヒーを落としていく」といった流れです。
他に類を見ないコーヒー抽出器具のため、なかなか最初からクレバーコーヒードリッパーを買おうという方は少ないと思います。しかし、クレバーコーヒードリッパーで淹れるコーヒーの味と香りは本当に大満足で、「抽出器具は何を買おうかな?」と悩んでいる方にもおすすめです!
家庭用としてだけでなく、カフェでバリスタの方がクレバーコーヒードリッパーを使っていることも多くあり、プロも認めるコーヒー器具となっています。
そんな当器具について、私自身が使ってみて感じた「魅力」と「気になる点」を挙げます。
- 慣れると誰でも簡単に扱える
- コーヒー豆がもつ香りと味が良く引き出される
- 家庭でもプロのようなコーヒーを淹れられる
- 同じ味を何度でも再現しやすい
- コーヒーに微粉が入りにくい
- コーヒーを一気に抽出するのは見ていて楽しい
- Lサイズの製品なら一度にコーヒー数杯分を作れる
- ドリップ技術不要のため、細口ケトルがなくても問題ない
- コーヒーを淹れる技術を高めたい人には物足りない
- 初見では使い方がよくわからない
- 細かい部分が少し洗いにくい
- コーヒーオイルをほぼ通さない(金属フィルターのようなダイレクトな味わいにはならない)
- コーヒーの粉が細かいとコーヒーが全部落ちてこない
気になる点も挙げましたが、若干気になるという程度です。手軽に美味しいコーヒーを淹れられるというメリットのほうが大きいと思います。
どんな部屋にも馴染むデザイン
こちらがクレバーコーヒードリッパーです。ぱっと見は一般的なドリッパーと一緒です。
サイズは2種類あり、画像の物はLサイズで、最大抽出量は約400mlとなっています。もう1種類Sサイズが存在し、そちらの最大抽出量は約210mlです。一度に数杯分を淹れたい方は「Lサイズ」、毎回1杯分を淹れたい方は「Sサイズ」という選び方で良いでしょう。
もちろんLサイズを使って1杯分だけ淹れることも可能です。ただ、必要以上の大きさのフィルターを消費するという問題点があります。
ちなみにLサイズには、「コースター」と「フタ」が付属します。Sサイズはコースターとフタの区別がなく、コースター兼フタが付属するようです。
私が持っている物は黒色ですが、薄く茶色みを帯びた半透明のクレバーコーヒードリッパーを持っている方もいます。また、黒みを帯びた半透明というカラーバリエーションもあります。
いずれの色もスタイリッシュで、見た目にも良い器具だと感じます。
コーヒーを淹れるために準備する物
- クレバーコーヒードリッパー(本体・コースター・フタ)※Sサイズはコースター・フタの区別なし
- ペーパーフィルター
- コーヒーサーバーやマグカップ
- コーヒー粉
- お湯
- スプーン ※かき混ぜるため
- スケール(量り)
- 時間が計れるもの
必要な物は以上です。本体とは別に「ペーパーフィルター」を用意しないといけないのでご注意を!
といってもクレバーコーヒードリッパー専用のフィルターはなく、台形のペーパーフィルターなら何でも合います。好みで選んで問題ありません。おすすめとしては、Sサイズなら「カリタ102」」、Lサイズなら「カリタ103」です。漂白フィルターであれば雑味が出にくくなります。サイズもピッタリです。
▼Sサイズ用:カリタコーヒーフィルター102(ホワイト)
▼Lサイズ用:カリタコーヒーフィルター103(ホワイト)
また、Lサイズであれば一度に400mlくらいは淹れられるので、コーヒーを落とすサーバーが必要です。Sサイズでお湯の量を調整すれば、マグカップなどにピッタリ入ると思います。(Lサイズでサーバーを用意せず、マグカップごとにコーヒーを落とすという方法も、クレバーコーヒードリッパーなら可能です。)
ハンドドリップでは細口ケトルを使った繊細な技術が必要となりますが、クレバーコーヒードリッパーはコーヒーの粉を一定時間お湯に漬ける抽出方法のため、お湯の注ぎ方に神経を集中させなくて大丈夫です。そのため、お湯を注ぐ器具は電気ケトルなどでも問題ありません。
公式推奨の淹れ方4ステップ
お待たせしました。やっと淹れていきます。
今回、Lサイズを購入した際に入っていた説明書をもとに、公式の淹れ方を紹介します。英語で書いてあったため、Googleの力を借りて翻訳しました。
以下にご紹介する淹れ方をご覧いただけば、「クレバーコーヒードリッパーとは何か」ということがかなりイメージできるかと思います!
コーヒー豆27g、お湯400mlで抽出したいと思います。公式の表記では、コーヒーとお湯の比率は「1:15〜1:20」と記載がありますので、この量でほぼOKですね。
step1.ペーパーフィルターをセットし、お湯ですすぐ
本体にペーパーフィルターをセットします。ペーパーフィルターの底の部分を軽く折って、セットするだけです。
そして、まだコーヒーの粉をセットしていない状態の空のペーパーフィルター全体を、簡単にお湯ですすぎます。これにより、ペーパーフィルターのもつ雑味がコーヒーに移りにくくなります。
ここでとても大切なポイントです。クレバーコーヒードリッパーは、コースターやテーブルなど水平な物の上に置いておけば、液体が下にこぼれません。サーバーやマグカップなどの上にカチャッとセットすることで、やっと液体が下に落ちる仕組みになっているのです。
そのため、ペーパーフィルターをお湯ですすいだら、クレバーコーヒードリッパーに溜まっているお湯を捨ててください。もしくはマグカップなどの上にカチャッとセットしてからすすぐ工程を行いましょう。そうしないと、必要のないお湯が本体に溜まったままになります。
step2.コーヒーの粉を入れて、お湯を注ぐ
続いて、説明書によると「粗く挽いたコーヒーを加えます」とのこと。浸漬式のため、粗挽きがおすすめのようですね。実際、細かく挽きすぎると詰まってしまい、コーヒーがうまく落ちてきません。
コーヒー粉を入れたら、お湯を加えていきます。温度は「90℃〜96℃」と書いてあります。沸騰して少し置いた状態、コポコポと湧き上がる泡がなくなった瞬間くらいのお湯を注ぎましょう。注ぐ量について細かな指定はないので、今回は一度に400ml全部注ぎます。
※お湯を注ぐ際、クレバーコーヒードリッパーをサーバーやマグカップの上にセットしてはいけません!セットするとお湯を注ぐとともにコーヒーが落ちていき、一般的なドリッパーと変わらなくなってしまうので…。コースターやテーブルの上など、水平な場所にただ置いておけばOKです。
step3.フタをして4分待つ(途中でかき混ぜる)
お湯を全部注いだら、温度が下がらないようにフタをします。ここでストップウォッチスタートです。
そして、1分30秒後にフタを開けて、コーヒーをスプーンで大きくかき混ぜます。特に回数の指定はないので、3回くらい底からすくうようにかき混ぜれば良いでしょう。
またフタをして、ストップウォッチをスタートしてから4分間待ったら完成です!
この待ち時間を使い、サーバーやマグカップは、余ったお湯を注いで温めておきましょう。もちろんコーヒーを落とす前にこのお湯は捨てます。
step4.サーバーやマグカップに落とす
4分経過したら、クレバーコーヒードリッパーを持ち上げて、サーバーやマグカップの上にカチャッとセットします。すると、中のコーヒーがシャーっと下に落ちていきます(この画像では見にくいかもしれませんが、まさに今落ちています)
落ち切るのを待ちましょう。
もしもコーヒーが落ちるのを途中で止めたかったら、クレバーコーヒードリッパーを持ち上げればすぐ止まります。そしてまたカチャッとセットしたらコーヒーが落ちていく仕組みです。
以上、全部落ちきったら完成です!
クレバーコーヒードリッパーはネットで購入可能
クレバーコーヒードリッパーの販売元は「有限会社センチュリー・フレンド」さんです。日本におけるクレバーコーヒードリッパーの販売代理店であり、コーヒー関連の雑誌にも会社名が載っていたので安心して購入できると思います。私自身もAmazonでセンチュリー・フレンドさんから購入して正規品の新品が届きました。
一部壊れやすいというレビューも見受けられましたが、まあ扱い方次第で何だって壊れると思います。私自身は、他の器具と比べてクレバーコーヒードリッパーが壊れやすいとは感じません。
▼クレバーコーヒードリッパー Lサイズ(プレミアムブラック)
▼クレバーコーヒードリッパー Lサイズ(半透明)
▼クレバーコーヒードリッパー Sサイズ(半透明ブラウン色)+ ホワイトろ紙(100枚入り)
まとめ
クレバーコーヒードリッパーは、誰でも簡単に美味しいコーヒーが淹れられる名器具だと思います。LサイズもSサイズもどっちも持っていても損がないほど、日々のコーヒーライフに最適なお供です。
使い方さえ理解すれば簡単に淹れられるので、忙しい朝でもそこまで負担にならないでしょう。ぜひご自身に合ったコーヒー器具を見つけてください!